いつごろからか定かではないが、出不精になった。ある日、テレビで「年寄りとはなんぞや?」というようなことをディスカッションしていた。ボケない人は「出好き」で、ぼける人は「出嫌い」なのだそうだ。いい年して女性に色目を使う人(そこのあなた)も、「ぼけないタイプ」なんだって(^^;
私はどうもボケるタイプのようだ。出かけるの嫌いだから。
というような前置きをさておいて、出かけることがとても少なくなっている。最小限の用事は車だし、バスや電車に乗ることはほとんどない。そんな私が久々に電車に乗って都会に出かけた。
鳩ヶ谷駅から埼玉高速鉄道に乗って、30分、乗り換えナシで市谷に着いた。目的は手芸の総合学園「ヴォーグ」である。(スタトレのヴォーグじゃないよ)
地図片手にうろうろ、まるでお上りさんそのもの。自分が江戸っ子だと言うことをすっかり忘れて、一人感激に浸る瞬間。「これが東京なんだ〜!」 って。
ヴォーグ学園「手編みクラス」の新入生木曜午前は総勢16名。まず、自己紹介。私は自分の年は隠したが、勇気あるご婦人が「60歳の手習いです」と言った。あとで階段でそっとその人に声をかけた。「実は私もあとちょっとでなるんですよ〜」・・・・イヤな性格(自分)
あっという間の楽しい時間も過ぎて、勉強会はおしまい。久々の上京なので、ジャズでも聴きにいこうかと昨夜印刷しておいたジャズ喫茶の地図を探したが、ない。家に忘れてきたのだ。まさに大ボケちんちくりん?
ジャズ喫茶を諦めて帰途に着くわけだが、JRの駅で電車賃を見てびっくり!行きに乗った「埼玉高速鉄道」は、鳩ヶ谷→市谷まで530円だったのに、JRは川口まで290円なのだ。腹が立ったので帰りはJRに乗ることにした。乗り換え1回あるけど、1回くらいは我慢できるだろうと・・・
それが大きな間違いだったのに気づいた。総武線は快速とかで、神田や東京には止まらないのだ。御茶ノ水で降りて中央線に乗り換えて神田へ。神田駅ではエスカレータもなく(誰だよ、東京の駅には全部エスカレータがあるなんて言ったのは!)、とぼとぼと階段を登って京浜東北線のホームへ。しかし、京浜東北線の電車は南浦和行きも大宮行きも全部私の前を通過・・・またも快速のせいだった。
仕方なく山の手線に乗って、今度こそは快速が止まる田端で降りた。田端から京浜東北線に乗り換えてようやく川口駅へ。いったい何回乗り換えた?
駅へ着いたとき「やっぱ川口が一番だね!」と、しみじみ思った。故郷へ帰ってきた気分だった。
荷物が重くて足が痛くなるし、よたよたしながらようやくたどり着いた川口からのバス車中では、座席の後ろに座ったばばぁが、30分間ずーっと話しかけてきて、疲れはさらに増した。最初はイヤイヤ相手をしていたが、あまりうるさいので黙っていると、今度は頭を褒めだした。
「頭いいのねぇ」って、あんたどうして知ってんの?(^^;
「どこの美容院でやったの?」「高いんでしょ?」
大きなお世話だ!
同じ停留所で降りたらどうしよ?と、不安を胸に抱えてバスを降り、後ろは決して振り向かず、足早で走るように家へ向かった。
仕事があるので、これを書いたら頭を切り替えよう。