遠かった PIT INN

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市ヶ谷から新宿までたったふた駅なのに・・・・
新宿までたどり着いたのは、出発して50分後だった。ああ、しんど

市ヶ谷から四谷までは歩いておよそ15分。だとしたら、四谷から新宿だってそう遠くはないだろう。と、浅はかな考えだった。二駅だから30分もあれば着くだろうと、防衛庁前から新宿へと徒歩で向かった。これが12時30分。
足をかばいながゆっくり歩いて30分も経ったろうか、「そろそろ新宿じゃないかなぁ」と思い、途中あった交番で訊いてみた。うだるような夏日の中、重い荷物を持ってそろそろへたってきていた。

「まだまだ遠いよ そうさなぁ あと20分以上はかかるだろう」と、オマワリさん
「え〜 そんなにぃ?」とわたし。もうショック状態(^^;
道路を隔てた反対側にバス停があるから、バスで行ったほうがよいといわれ、歩道橋の階段をぐったりしながらのぼる、うら若き悲惨な乙女一人(ウソ)

バスがきた。
あれれ、前から乗るのかよ。それに乗車券を取るところがないじゃないの?
キョロキョロ、辺りを見回す。おのぼりさん約1名。
はは〜ん、これは均一料金だな?と察したので(頭いいぞ)、200円を箱に入れて、無事バスに乗った。
座っていたおじぃちゃんに「このバスってどこまで行っても200円なの?」と訊いたら、やっぱりそうだった。
それから、おじぃちゃんと、赤ちゃんを連れた若い夫婦と、私とで新宿に着くまでおしゃべりバスの旅となった。この間駅3つ。
東京では、バス料金は、たいてい200円なのだと。
ふ〜ん。じゃもっと前から乗ればよかった。あ〜損した。
埼玉の田舎では、どういうふうにしてバスに乗るのかを、偉そうに教えてあげたヽ(^o^)丿

へとへとになりながらも、ようやく新宿5丁目へたどり着いた。
市ヶ谷を出てからおよそ1時間後のこと。
新宿へ着いてからも、場所を探してうろちょろしていたし、目的の場所へ到着したのは、1時半を回っていた。たった二駅なのに、なんて遠い道のりなのだ。

昼の開演は14時30分とのことで、時間の間もあったし腹も減っていた。
すぐそばにランチをやっている居酒屋があったので、暖簾をくぐった。
汗だくだくて、とにかく冷たいものが欲しかった。
ふと頭上を見ると「美少年」というお品書きが目にとまった。
「夜から仕事があるからなぁ・・・」と、チラッと頭をかすめたが、「ま、いっぱいくらいならいいだろう」と、「冷えた美少年1杯」を注文した。

間髪いれずに、女将らしきばぁさんが、「はい、うちには美少年が二人います」と言う。
しゃれたばぁさんだ(はい、私もばあさんです)と、なんだか嬉しくなって、
目の前のカウンタのおじぃさんを何も言わずに指差した。
女将さん「はい、そうですよ。これがうちの美少年です」
私「昔の美少年でしょ?」
美少年のじぃさん「・・・・・」

そのお店は、ジィさんふたりと、おばぁさん一人、計3人で切り盛りしているお店だった。
客の私が入ったので、店は計「2じぃと2ばぁ」とになったというわけだ。
その店ではモダンジャズがBGMとして流れていた。
美少年を片手に定食をぱくつきながら「へぇ、ずいぶん洒落た音楽流しているんですね」というと、その理由を教えてくれた。
奥にいたもう一人の美少年が、むかしプロのジャズマンだったらしいのだ。
トランペットを吹いていたのだとか。だからお店ではジャズばかり流すのだと。

居酒屋と美少年とジャズ
奇妙な取り合わせの店で、ご機嫌な音楽を聴きながらPit Inn の開演を待ったのである。

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